「オーボンビュータン河田勝彦の菓子ベーシックは美味しい」定番であり常識!パティシエ必読のレシピ本です

河田勝彦の菓子 ベーシックは美味しい オーボンビュータン

この本の内容を簡単にまとめると

  • フランス菓子界の重鎮の技術と思いが詰まった重厚な一冊
  •  パティシエにとっては必読すべき本
  • 美しい写真と沢山のレシピに圧倒! 

河田勝彦さんのお店と経歴

この本に触れるに当たって河田勝彦さんの功績を語らなければ本の価値が全て伝わらないのでまず初めに河田さんについて紹介させていただきます。

現在72歳(2017年現在)で今尚多大な影響力を持つフランス菓子界の重鎮です。

1944年に生まれで約10年間のフランスの所業を経てフランス菓子を日本に伝えてきてくれました。東京オリンピックで選手村レストランで勤務されていたということからも重ねてきた年月の長さを感じられるのではないでしょうか。

1981年に世田谷区の尾山台に「オーボンビュータン」を開業し常に第一線で働いてこられました。オーボンビュータンはオープンから現在に至るまで常に大人気の有名店で、沢山の種類のフランス菓子を販売するお店として大繁盛しています。2015年にはリニューアルされ、ランチやシャルキュリトル(お惣菜)の販売をはじめ、息子さんお二人と共に唯一無二の存在感を放っています。日本橋高島屋にも出店しています。

お弟子さんは200人以上、影響を受けていないパティシエの方が少ないのではないでしょうか。2012年には現代の名工を受賞され名実ともに日本の洋菓子界を牽引された菓子職人です。

ベーシックは美味しい

全レシピ数178個という驚きの内容です

「オーボンビュータン 河田勝彦の菓子 ベーシックは美味しい」

2002年10月1日

柴田書店発行

¥6,696

かなり前に発売された本ですが今読んでも学ぶことの多いとても内容の濃い本です。

360ページに及ぶ内容は

基本の生地のレシピが19

クリーム、パーツ等のレシピが34

お菓子、パンのレシピが125

すべてあわせたレシピ数は178!

そしてコラムが8本

とものすごいボリュームです。さらに一つのレシピに対する写真も多く、レシピもとても丁寧に説明されています。レシピの最後にはそのお菓子への思いや特徴、ポイントなどが記されていて河田さんの熱い心意気が伝わってきます。

この一冊を作るのにものすごい時間と手間がかけられたのは間違いないです。

レシピの特徴は

河田さんのケーキは伝統的なフランス菓子をベースにしたしっかりとした味わいのものが多いです。甘みがはっきりしていたり、お酒をしっかり使って風味豊かなものだったり、たっぷりバターを使ったリッチなものだったり。家庭のおやつとは一線を画した本格的な味わいのレシピが主です。

基本の生地については7リットル容量のスタンドミキサー(キッチンエイド)で美味しく作れる最小分量でのレシピになっています。

また、お菓子のレシピも生地の最小分量にあわせたものになっているものが多いです。家庭のハンドミキサーで作るには、そのままでは量が多いレシピもあります。

もちろん、普段のお菓子屋での仕込み量には全く少ない分量ですので読んだ人に美味しく作ってもらいたいという河田さんの思いは伝わってきます。

お菓子作りにおける温度や糖度、生地の状態や手順にも理由がありそれを一つ一つ解説してくれているのですべて読み込み理解することはものすごく勉強になります。少し前に出された本なので例えばシルパンなど最近一般的になった道具は登場しません。しかし基本となる美味しさの合理性を学ぶには最適の一冊だと思います。

ただ、一つのレシピの情報量がとても多いので必然的に文字は小さく、お店で販売されているケーキのレシピは組み立ても複雑でよく読み込まないと分かり辛いかもしれません。

専門用語や専門の道具も多々出てくるのである程度お菓子作りに慣れている方向けの本です。

どんなレシピがあるの?

本の作りはまず初めに基本の生地の作り方を紹介して、その後にその生地を使ったレシピを紹介するという作りになっています。そしてその作りが21パートに渡って展開されています。

ジェノワーズ、ビスキュイ、シューはもちろん、沢山の焼き菓子やブリオッシュ生地のお菓子、揚げ菓子にコンフィズリー(糖果)、ショコラにアイスまで。

専門の焼き釜や型が必要で再現するのは家庭では難しいレシピもあります。

シンプルなシュークリームやプリンファーブルトン、ガレットブルトンヌはとても美味しく何度も作っているレシピです。

フルーツの砂糖漬けやヌガー、揚げ菓子などはなかなかレシピ本に載っていることもないのでこんな風に作るんだとイメージが広がり見ているだけで楽しめます。

河田勝彦 ベーシックは美味しい 裏表紙 糖果

最後に本書で思いや考えの伝わるコラムより感動した箇所を引用します

菓子職人のことはウーブリエ ourvrier と呼びたい。労働者の意味である。

 日々の仕事の中で材料をおいしく加工する。それが仕事だ。そのための技術は必要であるし、つくる楽しさもある。が、菓子屋は労働者でいい。スターではないし、アーティザンなどというきれいな名前でなくて。菓子屋は本来、サービス業の1つである。おいしいと思って食べてもらえたらうれしい。

こんなにも有名な方なのに、この姿勢で日々向き合っているということに感銘をうけます。

この本も読者に喜んでもらいたいと思って作られたことが伝わってきます。

興味を持った方、ぜひ一度読んでいただきたいです。

柴田書店のホームページでは本の見本や担当編集者のコメントを見ることができます。参考にされてください。

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