「進化する菓子」杉野英実シェフの待望の新作です!集大成がここにあります。美しい写真と共に堪能しましょう!

この本の内容を簡単にまとめると

  • 大人気パティスリー「イデミスギノ」のオーナーシェフ、杉野英実さんの待望の新作
  • 自ら「集大成」と語る、数多くのこだわりが詰まったレシピ
  • 数多くの写真と、丁寧な説明でとてもわかりやすく、シェフの想いが詰まっています

「イデミ スギノ」 進化する菓子 とシェフの紹介

「イデミ スギノ」 進化する菓子 -TASTE IN PROGRESS-

杉野英実著

2017年9月9日発売

柴田書店発行

¥6,500(税込¥7,020)

376ページ

長年にわたり大繁盛店となっているパティスリー「イデミスギノ」のオーナーシェフ、杉野英実シェフの待望の新作です。

生菓子から、焼き菓子、チョコレートなど数多くのレシピがまとめられた大作となっています。

お店で販売されている菓子の数々を全般的にまとめたレシピ本は杉野シェフ初の出版です。

これほど内容の濃い本は当ブログでも紹介させていただいた、1998年に発売の「杉野英実の菓子 素材よりも素材らしく」以来の発売です。待っていて良かった!感無量です。

美しい写真はカメラマンの日置武晴さん、スタイリングは高橋みどりさんと大御所のお二人が担当されており見どころのひとつになっています。

杉野シェフの経歴とお店の説明はこちらの記事で紹介させていただいています。

「杉野英実の菓子 素材より素材らしく」大人気パティシエの美しく華麗なお菓子の数々!
この本の特徴、内容は 現在でも大人気のお店「イデミスギノ」で販売中のお菓子も紹介されている 世界大会日本人初優勝を導いた...

京橋のお店は今現在でも大人気。昨年末のクリスマスケーキもあっという間に予約が完売していました。

Hidemi sugino、中央区 - 「いいね!」1.2万件 - Opening Hours Tuesday-Saturday 11:00-19:00(L.O 18:00) Please call for further information.

本の内容は?

菓子業界で常に第一線で働き続けてきた杉野シェフ。現場に立ち続けるということは常に生み出しつづけているということです。

時代や技術の変化に合わせてシェフの生み出すお菓子の数々は、素材と向き合い、最大限に素材を生かしながら美味しく食べてもらうかという点に焦点をあてて進化してきたそうです。

前作の「素材よりも素材らしく」と比べると、およそ20年の時を経て、ケーキはどんどん複雑に美しく進化しているのが感じられると思います。

2冊で重複するお菓子は一つもなく、「フランボワジエ」というケーキはどちらの本にも紹介されていますが、形状や配合なども全く異なったケーキに進化しています。

基本の生地の配合も微妙に異なっていたりして、毎日作り続ける間に試行錯誤しながら進化されているんだなということが感じ取られてとても感動しました。

レシピの内容は全部で5パートに分かれていて、レシピ数は膨大です!柴田書店の公式ホームページによると

ムース14品、サンマルクバリエーション2品、バタークリームのケーキ7品、
タルトレット6品、マカロン6品、修業先のスペシャリテ9品、アントルメ10品、
焼き菓子21品、タルト6品、ジャム9品、ショコラ6品

これに加えて基本の生地やお菓子のパーツのレシピもたくさん紹介されています。

詳しい内容を5パートごとに解説させていただきます。

1 基本技術

基本技術というのはもちろん大切で、1つのケーキに何種類もの生地やクリーム、飾りなどが必要となります。

そのため膨大なレシピを1つ1つ丁寧な解説と共に紹介されています。

この中でもさらに、4つのパートに分かれています。

まずは基本の生地。

ビスキュイダマンドやパートシュクレ、パートフイユテ、パータマカロンなど全部で13のレシピです。

ビスキュイダマンドのレシピ1つとっても、10の工程に分かれて詳しく写真付きで説明されており、焼く際の下準備も生地の使い方によって2通りの準備があるなど、シェフの美味しくいただくためのこだわりがたっぷり詰まったレシピになっています。

次に基本のクリーム。

ヴァニラの処理からはじまり、クレームパティシエール、クレームダマンド、アングレーズソースやバタークリームなど9のレシピです。

珍しいのがピュレを使ったアングレーズソースのバタークリームの作り方。ここまで詳しいレシピは初めてみましたがとても参考になると思います。

そしてお菓子のパーツ。

ナッツを使って作るパーツ、フルーツのソテーや皮のコンフィの作り方、シロップ煮やコンポート、グラッサージュショコラや飾りのチョコレートの作り方など様々な種類のパーツのレシピが24もあります。

最後に基本のムース。

これはレシピというよりも、ムースを作る際に注意するところ、ポイントなどを詳しくまとめた感じです。

最初にムースを作る前のトレイの準備方法やイタリアンメレンゲとクリームフェテの取り扱い方、絞る際や凍らせる前の注意事項がまとめられています。

そしてピュレのムース、ピュレを使ったアングレーズソースのムース、ムースショコラの3点に分けて詳しい手順を写真付きで解説しています。

簡単に思われがちなムースの作り方ですが、こだわるとここまで注意しなければならないのかとびっくりされると思います。

2 折々の生菓子

杉野シェフといえば生菓子という印象がありますが、この本の中でもやはり数多くのレシピが紹介されており、6つのパートに分かれています。

ムース

1つ1つ小さなセルクルに入れて作る、複雑な組み合わせのムースのお菓子です。14品。

トロピカルな、マングー・キャシス。アーモンドミルクの風味ベースにあんずの酸味が際立つモンテリマー。ムースフロマージュにあんずとルバーブの酸味を加えたリビエラ。グレープフルーツとミントの爽やかなジェオメトリー。シードルムースとりんごソテー、カシスのムースでノルマンディの港町をイメージしたオンフルール。。。

とてもオリジナリティーにあふれて、様々な組み合わせの妙が際立つケーキばかりです。作る工程の写真も全て美しく、断面の写真もあり複雑さをより感じられることができます。

サンマルクバリエーション

昔からあるチョコレートとバニラの2層になったサンマルクというケーキを杉野シェフがアレンジした2品です。

オレンジ風味のシャンティイショコラとシャンティヴァニーユの間にバナナのジュレをはさんで爽やかにしたベ・キャライブ。

イチジク入りのクレームシャンティイショコラと洋梨のジュレ、シャンティヴァニーユの3層が美しいエレーヌ。

バタークリームのケーキ

多層構造で、軽いクリームにして美味しく仕上げた断面も美しいケーキの数々です。7品。

進化したフランボワジエ。真夏にも美味しく感じるパッションフルーツクリームにトロピカルフルーツジュレを挟んだトロピック。オレンジのバタークリームとジュレをパイ生地で挟んだアグリューム。。。

タルトレット

タルトレットという器があるからこそ中身の柔らかさや食感が際立つような6品です。

柔らかいキャラメルにドライフルーツやナッツが入ったタルトレット・キャラメル。コーヒー風味のガナッシュとシャンティのカプチーノ。ルバーブのコンポートをメレンゲで包み込んだリュバーブのタルットレット。。。

マカロン

一般的に販売されている一口サイズのマカロンとは異なり、大きめに焼いてプティガトーとしてしあげた6品。

オレンジのバタークリームにグリオットとオレンジのジュレを挟んだグリオット・オランジュ。ミントのバタークリームとイチゴとミントのジュレを挟んだアイリッシュスピリット。。。

修行先のスペシャリテほか

杉野シェフのお菓子作りの礎になったという、フランス修行先でのスペシャリテのお菓子のバリエーションです。今現在の杉野シェフならではのアレンジも加えられている、9品です。

表紙にも使われている、イチゴのメレンゲ生地の中にベリーのジュレとフランボワーズ風味のバタークリームを閉じ込めたプランセス・ルージュ。桃の果汁で作ったシブーストの中に甘酸っぱいベリーのソースが入ったグリゾール。

3 アントルメ

毎年新たに生み出されるクリスマスケーキ。これをきっかけに新しいお菓子が作り出されてきたそうです。アントルメならではの美しくダイナミックなデコレーションと、コントラストが美しい断面もみどころです。ムースを基本とした10品です。

生地のバジルとジュレのマンゴーの香りが、チーズムースを華やかな印象にするとても新しい組み合わせのネオ。ブラッドオレンジのジュレの酸味とグリオットのムースが、イチゴのムースとビスキュイに奥深い味わいをあたえるレーヴル。。。

4 焼き菓子とタルト

焼きたての美味しさにこだわって販売されている杉野シェフ。様々なフレーバーのバリエーションのものや、生地を2層重ねて焼き上げたものなどシンプルながらもオリジナリティーのあふれる21品です。

フィナンシェが4品、ダコワーズが1品、2層の生地のお菓子が3品、ケーク生地のお菓子が8品、ブリオッシュ生地のお菓子が5品紹介されています。

中でも2層に分かれたお菓子は、仕上がりもとっても美しくて焼き菓子と思えない仕上がりになっています。

裏表紙にはピスタチオ生地にアメリカンチェリーを入れて焼いたタルトスリーズの写真が掲載されています。

5 ジャムとショコラ

絶品と大人気のイデミスギノのコンフィチュール。そのレシピがまとめられていてとても嬉しいです。美しくフレッシュな仕上がりと、様々な組み合わせの妙を堪能できる9品のレシピです。

また素材の組み合わせをいつもケーキと同じように作っているというボンボン・ショコラもとても美しく美味しそうです。ガナッシュの周りをピストレ・ショコラでコーティングした3品のガナッシュ・スペシャルのレシピと3品のボンボン・ショコラのレシピが紹介されています。

その他リンクなど

とても長くなってしまいましたが、それだけ内容の濃い1冊になっています。

また、間に挟まれる杉野シェフのコラムも読み応えがあり、お菓子に対する考えや歴史を知ることができます。

柴田書店の公式ホームページでは目次のPDFも見ることができ、中身も試し読みをすることができます。

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また、編集部だよりでは編集者の方からみる杉野シェフのケーキの魅力も語られています。

これからの時代を作っていく菓子職人の皆さんの礎のひとつとなることと思います。素晴らしい本をありがとうございました。